介護の現場では、スタッフが利用者からいかに信頼を得るかがとても重要です。信頼が得られなければ円滑に業務が進まず、利用者やご家族からサービスの質が悪いと誤解されかねません。介護の現場で働く際には、接遇の研修への参加を必須にしているところが数多くあります。接遇がしっかりしていればコミュニケーションを取りやすくなり、早期に信頼を獲得しやすいためです。接遇の必要性は、利用者に対してだけではありません。一緒に働くスタッフ間でも必要なことで、チームワークよく働くためには欠かせないスキルの一つです。

接遇の講習会で学ぶことは、一般常識とほとんど変わらないため驚く人もいるでしょう。人と接する基本的なマナーである挨拶から始まり、言葉遣いや身だしなみなどを教わるのですから当然です。「教わらなくても知っている」と思われるかもしれませんが、分かっていても実践しない人が多いため、改めて学ぶことにより現場で活かすことができます。例えば、近所の人と顔を合わせたとき、きちんと挨拶をできていますか?日頃挨拶をしなれていない人は、介護の現場でも挨拶をおざなりにしてしまうことはよくあります。普段から丁寧な言葉使いをしたことが無い人の場合、いざ丁寧に話そうとしても言葉が出てこず、スムーズな会話ができなくて業務に障りが出てしまう可能性があるのです。

利用者や共に働くスタッフと心を通わせるためにも、接遇の重要性を理解し、普段から実践できるように知識を身につけましょう。たとえ失敗しても、接遇を意識して実践することで自然に行えるようになれば、働きやすい環境をつくることに役立ちます。